地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「でも灯里には全く通用しねぇんだよ」
ボソッと言った言葉だったけれど、近くにいたあたしにはしっかりと聞こえる。
「え? 通用しない?」
聞き返すと、チラリと鏡越しにあたしを見た日高はもう一度目を逸らして答えた。
「メガネ外して、素顔さらして迫っても誘惑されてくれねぇんだよ……」
だから攻めあぐねてるんだと唸る。
「へぇ……」
ちょっと、意外だった。
灯里は地味な格好をしてはいても、普通の女子高生だと思っていたから。
でも確かに顔で相手を判断するような子ではないと思う。
たまに人の顔をジッと見たりしているのは気付いていたけれど、顔の良い人ばかり見ていたわけじゃないし、何か別の基準で見ている感じだった。
そう、例えばあたしが日高の髪を切らずにはいられなかったように。
また、灯里の髪が実はしっかり手入れされていることを見抜いたように。
ボソッと言った言葉だったけれど、近くにいたあたしにはしっかりと聞こえる。
「え? 通用しない?」
聞き返すと、チラリと鏡越しにあたしを見た日高はもう一度目を逸らして答えた。
「メガネ外して、素顔さらして迫っても誘惑されてくれねぇんだよ……」
だから攻めあぐねてるんだと唸る。
「へぇ……」
ちょっと、意外だった。
灯里は地味な格好をしてはいても、普通の女子高生だと思っていたから。
でも確かに顔で相手を判断するような子ではないと思う。
たまに人の顔をジッと見たりしているのは気付いていたけれど、顔の良い人ばかり見ていたわけじゃないし、何か別の基準で見ている感じだった。
そう、例えばあたしが日高の髪を切らずにはいられなかったように。
また、灯里の髪が実はしっかり手入れされていることを見抜いたように。