地味同盟〜地味男はイケメン元総長〜
「こんな風に持ってこないように我慢してたはずなのに……」

 大声で叫んで後悔を吐き出したいところだけれど、そうするわけにもいかないから突っ伏してぶつぶつ言った。

 そんなあたしに日高くんは「あー……」と言いながら言葉を探していた様で、少ししてから声を掛けてくる。


「まあ、お前がどうして秘密を守りたいか少し分かった気がする……」

「理解してくれて嬉しいです」

 全く喜んでない口調で告げると、あたしは何とか立ち上がってサージカルテープを差し出した。


「本当は傷が(ふさ)がってから使うものじゃないんだけど、傷跡が残りにくいようにこの紫外線カットのテープ貼っておいて」

「めげないなお前」

 呆れられた。
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