桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
「いったい何のことだ? しかし……そんな風に無邪気に笑う君が見れたのら、それで良しとしよう」
匡介さんはこういう時に深くは追及したりしない、ただ声をあげて笑う私を優しい表情で見ているだけ。もしかしたら彼には笑っている理由より、今私が笑っている事の方が大事だったりするのかもしれない。
……彼のつぶやきは、そんな風にも取れたから。
「小鳥、二人で大事に育てましょうね。仕事が忙しいって、私だけに世話を任せたりしないですよね?」
彼が本当に仕事でまともに自由な時間が取れないってことは分かってる、それでもただこの子達を一日一回眺めて声をかけるだけでもして欲しい。
私と匡介さんが、少しだけでも一緒に出来る事だと思うから。
「ああ、これから帰って飼育の仕方も勉強しなきゃならない。杏凛、俺にも協力させてくれ」
「そうですね、まずはインコの赤ちゃんに可愛い名前を付けるところからでしょうか?」
匡介さんが抱いている布をかけた鳥籠には二羽のインコの赤ちゃん、二人で名前を決めるのが楽しみだわ。そんな私を匡介さんも穏やかな顔で見つめていたのだった。
その日の夜、二人で随分悩んで……インコの赤ちゃんはオスがアレン、メスがリトンという名に決まった。