桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
「このまま部屋で休みますか? それとも軽く朝食でも……?」
寧々は私をひとまずリビングのソファーへと座らせてそう聞いてきた。彼女はまだ心配そうにしているが、体調には何の問題もない。
それならば、と思って……
「大丈夫よ、もう心配いらないわ。それよりもパンを買ってきたし、これを使って一緒に朝食を作りましょう? 寧々も朝ご飯を食べずに来てくれたみたいだし」
そう言った瞬間、寧々のお腹がグウッと鳴って彼女は慌ててお腹を手で押さえている。そんな仕草に思わず笑ってしまうと、寧々が拗ねたような顔をして。
「こ、これはダイエットなんです! 別に杏凛様が心配で飛んできたわけじゃ……」
少しツンデレな寧々はこういう時、とっても可愛くなる。そんな寧々の頭には普段しっかりしている彼女らしくない、ピンとした寝ぐせがついていたりする。
「そうなの? でもお腹がすいていてはきちんとした仕事が出来ないわ、一緒に食べましょう」
そう返せば寧々はもう反抗できないようで、私からパンの袋を受け取りさっさとキッチンへと行ってしまう。私も一度自室に戻り着替えを済ませて、寧々の待つキッチンへと向かう。
食事の後にでも寧々に昨日の事を話して、気になっている天然石の事について何か知らないかを聞いてみようと思いながら。