桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
「ですが杏凛様、私何か嫌な予感がします。きちんと旦那様に話した方が良いのではないですか?」
「そうよね、私もそう思っているのだけど……」
私が何か話しても匡介さんはこの件については何も答える気はないように思える。もしこれ以上話題にすれば、私の行動を制限してくるかもしれないし……
その態度が何かあると言っているようなものなのに、彼はいまだに私に何も教えてくれない。
「でもこれは私の問題なの。少しは自分でどうにか出来ないと、私は本当にただのお飾りの妻になってしまうわ」
「杏凛様、ですが……」
私の事を理解している寧々でも、今回は反対だと態度で示している。私が何をするかも決めてないのに、彼女が反対してくるのは珍しかった。
「お願い、寧々。今回だけ私に協力してほしいの。この事が解決すればまた大人しい匡介さんの妻に戻ると約束するから」
今まで大人しかったかと言われれば他人から見ればそうではなかったかもしれないが、自分では大人しくしていたつもりだった。
「杏凛様……分かりました、何かあったらすぐに私を頼ってくださいね?」
渋々頷いた寧々の手を取って笑顔で頷いて見せると、私は早速話を聞きに行くため実家に戻ると母に電話をしたのだった。
そんな私の後ろで寧々がスマホを操作しているとも知らないで……