桃色溺愛婚 〜強面御曹司は強情妻を溺愛し過ぎて止まらない〜
契約結婚から輝ける未来へ
「……り、杏凛。今日はみんなが家に集まってくる、そろそろ起きないと君は準備が必要だろう?」
そう言って私の額を優しく撫でる、そんな匡介さんの温もりを感じながら微睡んでいた。だけど今日は月菜さんや香津美さんがやってくることを思い出すと、ガバリと起き上がり目覚まし時計を確認した。
「もうこんな時間! どうしてもっと早く起こしてくれなかったんですか?」
いつも早起きの匡介さんは既にしっかりと自分の準備は済ませてしまっている、私のことももっと早く起こしてくれてもいいはずなのに。
プリプリと怒る私に、匡介さんはすまなそうな顔でこういった。
「すまない。だが昨日は君に随分無理をさせてしまったから、出来るだけゆっくり休ませたくて」
匡介さんの言葉に、昨日の夜の事を思い出し顔を真っ赤に染める。次の日が休みだからと匡介さんは昨日の夜、私を思いきり甘やかし何度も求めてきた。一度身体を繋げてから彼はそれまでが何だったのかと思うほど、私を欲しがるのだから困ってしまう。
「そういう事は言わないでください、特にみんなの前では!」
ずっと惚気るなんて姿は見たことなかったのに、想いが通じ合ってからの彼は別人のようで。聖壱さんや柚瑠木さんに負けじと、みんなの前でそれはそれは私を甘やかそうとするのだ。
「しかし、俺は杏凛の事が心配で……」
「そんなに過保護にならなくても大丈夫です! 最近は調子もいいんですから」