魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<宿屋・16時>

バージルは着替えた後に、
すぐに濡れた紙を床に広げて
乾かす作業を始めた。

濡れてしまった紙は
よれて、破けるし、にじんで読めなくなっていた。

これではもう一度やり直すしかないな・・・
<ああ、そうだ・・あの子は?>

バージルが階段を降りていくと、
女の子は毛布をかぶり
窓から降る雨を見ていた。

バージルは女の子のそばに、
椅子を寄せて座った。
「私はバージルだ。君の名前は?」

女の子は様子を伺うように
バージルを見た。

髪が赤く・・
長めの前髪から
青から緑の混じる深い色合いの瞳が見えた。

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