魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

そして小さい声でつぶやくように
「レティ・・」

「そうか。レティ・・
君の親はどこにいるのかな?」
レティは首を横に振った。
その唇と頬は
青ざめているように見えた。

おかみさんがバージルに
お茶のカップを差し出しながら言った。
「先生、
この子は親に捨てられたか、
売られるところを逃げた子ですよ。
きっと・・」

レティは顔をそむけ、窓の外を見た。
「売られるって・・?」

バージルは眉をひそめて
おかみさんを見た。
「親がね、売春宿に売るんです。
この子くらいなら、
まず下働きをさせて
年頃になったら客を取らせることができますからね」

おかみさんは腰に手を当てて、
<やれやれ>と言うように
「よくあるんですよ。
とにかく町まで連れて行って
孤児院にでも預けるしかないですね」

「そうか・・」
バージルは腕組みをして、
窓の外を見ているレティを見た。
まず、
この子にしてやれること・・・

「食事の準備をして欲しいのだが」
その瞬間、
レティが速攻で振り向いた。
その目がキラキラ光っている。
「ごはん!!腹減っている!!」
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