魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
その様子を見て、バージルも困り顔で
「うーん・・
明日、こから発《た》つから、
途中の町でこの子を預けられる
ところを探そう」
おかみさんはうなずき、確認するように
「今晩の、この子の寝床はどうしますか?
台所のかまどのそばなら・・
毛布を用意しますが」
床で寝かせるのは・・・かわいそうだ・・
「私の部屋で・・
ソファーがあるからちょうどいい。
あと、毛布と枕をお願いするよ」
バージルは
糸の切れた操り人形のように、
ぐったりとなっているレティを抱きかかえた。
部屋に戻ったバージルは、
レティをソファーに寝かそうとしたが、
気が変わった。
ベッドに寝かせて毛布をかけてやった。
青ざめていた頬が、少しピンクになっていた。
レティは子どもらしく丸くなって、幸せそうに眠っていた。
柔らかそうな赤い髪が
少し巻き毛で、頬にかかっている。
・・・まるで小さい妖精みたいだ。
<売春宿で働かせて・・>
おかみさんの声がよぎる。
バージルはレティの髪をそっとなでた。