魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<宿屋・翌朝7時>

バージルはソファーで眠っていた。
床は拓本の紙が広がり、足の踏み場もない。

「バージル、バージル・・」
バージルは肩をトントン叩かれる
感触で、目を開けた。

レティが毛布をかぶり、
そばに立ってバージルの顔を
覗き込んでいた。
ああ、そうか・・
この子を何とかしなくてはならないのか・・・

バージルは疲れて働かなくなった
頭を、
無理やり回転させようと試みた。

今日はまずあの石碑の拓本を、
取り直さなくてはならない・・
そうすると、
この子を町まで連れて行くのは無理か・・・

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