魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

「腹が減ったよ、バージル・・」
レティは少し控えめというか、
心配げにバージルの顔を見た。

バージルは起き上がり、ソファーに座りなおして
レティと向き合った。

「レティ、君は下に行って、
顔を洗って身支度をするんだ。
ここのおかみさんに
どうしたらいいか聞きなさい」

レティはコクコクうなずいた。
「そうしたら、
朝食の準備を手伝いなさい・・・
いいね。
わからない事があったら聞くんだよ」
バージルはレティの頭をそっとなでた。

朝飯(あさめし)!!」
レティの目が輝き、笑みがこぼれた。
まったくこの子は・・・
食事の話になると・・目の色が変わるな。

バージルはあきれつつ、
床に広げた紙をまとめるために立ち上がった。

確かに瞳の色が青から緑に
変化したように見えたが・・・

レティは毛布をかぶりながら、
飛び跳ねるようにスキップして
部屋から出て行った。
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