魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

教会の近く(12-15)ページ

<石碑・9時30分

石碑を写す作業で、レティは確かに役にたった。
紙がずれないようにしっかり押さえてくれたので、作業がはかどったのだ。

「君がいてくれて助かった」
バージルが片づけを手伝うレティに、声をかけた。
「うん・・」
少し恥ずかし気に照れてレティが答えた。

そして石碑の文字を見つめていた。
バージルは感じていた。
確かに大食いだが、この子はいい子だ。

バージルは熱心に石碑を見ているレティの様子を見て、声をかけた。
「興味があるのかい?」
レティはゆっくりと一文字づつ、
確認するように言葉にした。

「魔女は4つの家・・・
赤は火を、茶色は土を、青は水を、緑は風を操る・・」

「レティ・・?」
なぜだろうか・・・
レティの瞳は遥かな先を見ているように見えた。

瞳の青が揺らぎ、緑が強くなった気がする。
レティは
石碑の文字を読んでいたような・・
いや・・まさか・・

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