魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

キャラウェイの別荘(16-24)ページ

<キャラウェイの別荘・10時>

キャラウェイ家の別荘は、
小さな森と湖がある静かな場所だった。
建物は古いが、
祖父の残した膨大な蔵書を有する
図書室は
自慢できるものであった。

使用人も通いで来る村人が数人、
用がなければ誰も来ないので
邪魔されない。

周囲には広大な畑と牧場があり、牛、馬、鶏、豚などが飼育されている
これらはすべてキャラウェイ家の所有であり、
このあたりの農民は、小作人として働いていた。

館に着くと、誰の出迎えもなく、
バージルは玄関扉の鍵を開けた。
ぷんと、締め切ったかび臭い臭いと埃っぽさが漂う。

重い緞帳(どんちょう)のような重厚なカーテンを開けるのも、
一苦労だった。

階段の壁には、
キャラウェイ家の代々の家長の肖像画が掛かっている。

レティは興味深げに、肖像画を順々に見て言った。
「バージルのところは皇帝の親戚なのか・・」
「皇帝の傍系血族ではあるがね」

レティは、椅子にかかっている埃除けの白い布を取りながら
「魔女とも関係があったのかな?」

バージルは笑った。
「それならそれで、うれしいけどね」

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