魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
「男を食えない魔女は・・
カサンドラでは落ちこぼれで・・
馬鹿にされるし
魔力が小さいと地位も低いから」
バージルは記録を取りながらも、
複雑な気持ちになっていた。
「なぜ、あそこの石碑で、
子どもの姿でいたのだ?」
魔女の口調が変わった。
いかにも嫌そうに・・
つらそうだったが
「グランビアの使い魔に、
無理やりやられそうになって・・
あいつは<魔女食い>なんだ。
んで、張り飛ばしたら、
あいつの魔力が暴走して、飛ばされた・・
あの場所に落ちた」
<張り飛ばしたか・・>
バージルは息を吐いた。
魔女の瞳は遠くを見ていた。
「子どもの姿のほうが、
魔力を省エネで維持できるから・・・
でも、元の場所に戻れるほどの魔力はないし、困るし・・
腹は減るし・・」
魔女にとってはつらい記憶なのか、それでも涙をぬぐって緑の瞳で
バージルを見た。
「その・・何とかするから・・
ああ・・でも無理・・」
次の瞬間、
魔女は前のめりに倒れこんだ。
「レティ!?」
バージルが魔女を抱き起すと・・
眠りこんでいた。