魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

「それでも君は魔女だろう?」
バージルはレティの瞳を覗き込んだ。
今は青緑の青が勝っている。

「魔力も小さい、大食いで何の役にもたたない・・
利用価値はないはずだ。
すぐに出て行くから・・」

レティは淡々と言い、次のチョコレートを片手でつかみ取った。

バージルはその手首をつかんだ。
「私には、価値がある!
君はなにしろ魔女だからな」

魔物や魔女との交渉は・・
真実の名前を知っている方が
有利だという事。

そしてどのような条件で
契約を成立させるかだ・・・
バージルは仕掛けた。

「契約をしよう。
君が魔女の事について、教えてくれれば
私は君に好きなだけ食べ物を提供しよう。
それにここで住むこともできる」

「ううううう・・」
レティが下をむいてうなった。

もう一押しだ!
バージルは強い口調で、
断言するように言った。
「ここから出て行っても、
君には居場所がないだろう」
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