魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)

キャラウェイの別荘 その1(29-30)ページ

<キャラウェイの別荘・書斎・9時30分>

バージルは机に向かい、
レティは
窓枠に座り足をぶらぶらさせていた。

「まず、聞くが、
君が大人の姿に・・いきなり、
なぜなったのかを知りたい」

「魔女は一般的に、
新月と満月の影響を受けやすい」

レティはしきりに外を気にしている。
「お前の所で飯を十分に
食ったから、魔力がいくらか増加して
安定もしたのだろう。
それにあの晩は新月だったからな」

バージルは必死にペンを走らせ
「あの姿が、本来の君の姿なのか?」

レティは鼻の頭を掻きながら
「魔力が大きいと、姿・形にいろいろなバリエーションが持てる。
まぁ、私は魔力が小さいから、
子どもか、せいぜいあのくらいの年齢が限界だが」

そう言いつつ、悔し気に
「もう少し大人になれると、融通が利くのだが・・
酒も飲めるし」

魔力量で姿が違うのか・・
バージルは急いで書き留め、次の質問をした。

「それでは、カサンドラの魔女が
どうやって、魔力をつけていくのか説明をしてくれ。
<男食い>と言われる理由は?」

レティは思い出すように、天井に目をやった。
「まず、初歩的には・・・
夢を使う。
男の夢に入り込み、興奮させる。」

「夢魔・・サキュバスか・・」
「そう、朝方がいい。特に若い男はな」

バージルは書くのがもどかしいといったようで、
すぐに次の質問に飛んだ。
「それでは、別の方法は!?」

レティは即答した。
「もちろん、現実の男とやることだ」

子どもの姿のレティの口から
直接的な<やる>という言葉で、
ペンが止まった。

バージルはまじまじとその顔を見てしまった。
レティは全く普通で、当たり前の事を言うように

「誰とでもいいというわけではない。
気に入った男でないと。
魔力にはならないからな。
魔女は気に入った男を(とりこ)にするために、甘い匂いを使う・・」
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