魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
キャラウェイの別荘 その2(31-32)
<キャラウェイの別荘・書斎・数日後・10時>
「まったく!・・面倒な」
バージルは机の上に
紋章付きの封筒を、投げるように置いた。
大叔母の主催する舞踏会の招待状だ。
祖母の妹にあたる人で、
若い貴族の男女の縁を取り持つ事に、生きがいを感じている存在だ。
バージルも目を付けられていた。
大叔母は気に入った男女を、
自分の主催する舞踏会に招待して、さりげなく出会いを設定する。
彼女はキャラウェイ家の当主が
独身であるのは、外聞が良くないと考えているようだった。
特に今回は皇帝陛下がお忍びで
参加するという、大きな舞踏会であったので
バージルは<絶対に行かない>と思っていた。
「なんだ?これは?」
レティが封筒の赤い封蝋に気が付いた。
「招待状だよ。舞踏会のね」
バージルは興味なさげに言ったが
「舞踏会か・・
うずらのフォアグラ詰めとか・・
ワインもいいやつが出るんだろうな」
レティの目が宙を泳いだ。
バージルは<まずい>と思ったが、遅かった。
「行くぞ!食べに!それでいつだ?」
レティが断言した。
「子どもは出席できないし、
酒も飲めないぞ」
バージルが釘を刺したが、
レティはすでに招待状の日時を確認していた。
「満月にさしかかっている。
大丈夫だ。
この間くらいの年齢なら大丈夫だろう」
バージルは額を押えた。
魔女との契約は守らねばならない。
「連れて行くが、マナーとか口のききかたを教えるから・・・
できるだろうな?
それにドレスはどうする?」
レティは思い出したように
「衣装戸棚に古いドレスがあったな。
お前の婆さんの若い時に着たやつが残っていたはずだ。
それを借りればいい」
バージルも考えていた。
大人版レティを連れて行き、
大叔母に挨拶して・・・
交際している娘と思ってくれれば、
これからは面倒くさい招待状は
来ないだろう。
「まったく!・・面倒な」
バージルは机の上に
紋章付きの封筒を、投げるように置いた。
大叔母の主催する舞踏会の招待状だ。
祖母の妹にあたる人で、
若い貴族の男女の縁を取り持つ事に、生きがいを感じている存在だ。
バージルも目を付けられていた。
大叔母は気に入った男女を、
自分の主催する舞踏会に招待して、さりげなく出会いを設定する。
彼女はキャラウェイ家の当主が
独身であるのは、外聞が良くないと考えているようだった。
特に今回は皇帝陛下がお忍びで
参加するという、大きな舞踏会であったので
バージルは<絶対に行かない>と思っていた。
「なんだ?これは?」
レティが封筒の赤い封蝋に気が付いた。
「招待状だよ。舞踏会のね」
バージルは興味なさげに言ったが
「舞踏会か・・
うずらのフォアグラ詰めとか・・
ワインもいいやつが出るんだろうな」
レティの目が宙を泳いだ。
バージルは<まずい>と思ったが、遅かった。
「行くぞ!食べに!それでいつだ?」
レティが断言した。
「子どもは出席できないし、
酒も飲めないぞ」
バージルが釘を刺したが、
レティはすでに招待状の日時を確認していた。
「満月にさしかかっている。
大丈夫だ。
この間くらいの年齢なら大丈夫だろう」
バージルは額を押えた。
魔女との契約は守らねばならない。
「連れて行くが、マナーとか口のききかたを教えるから・・・
できるだろうな?
それにドレスはどうする?」
レティは思い出したように
「衣装戸棚に古いドレスがあったな。
お前の婆さんの若い時に着たやつが残っていたはずだ。
それを借りればいい」
バージルも考えていた。
大人版レティを連れて行き、
大叔母に挨拶して・・・
交際している娘と思ってくれれば、
これからは面倒くさい招待状は
来ないだろう。