魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<キャラウェイの別荘・玄関ホール・18時30分>
バージルは黒の燕尾服で正装して、レティが出てくるのを待っていた。
あいつは本当に大丈夫か?
自分はレティをコントロールできるか・・
自信がなかった。
「おっととと・・」
大人版レティが、
ドアを開けるのも大変そうに出て来た。
豪華なクリノリンスタイル・
ビクトリア朝のドレスを着ていた。
お姫様のように、
大きくスカートが広がり、
大きなリボンが所々に揺れている。
深い緑の色合いがよく似合っていた。
髪は黒く染めたのだろうが、
下手くそなので赤が混じっている。
しかし、それが不思議な風合いを生み出していた。
その髪に
庭に咲いていた白い小花を
散らすように飾り付けていた。
「髪を染めたからな・・
これで問題はないだろう」
「いや・・問題大ありだ・・」
童話にでてくるプリンセスのように可愛らしいと言うべきか、
これは目立つだろう・・
という事は、
エスコート役の自分にも注目が集まるということだ。
バージルはすぐに戦略を練った。
「君は外国の貴族の娘だ。
言葉がよくわからないふりをしろ。
微笑んでいればいい」
レティはうなずいたが、すぐに言った。
「それで飯と酒は?」
「大叔母様に挨拶をしたら、
すぐに控室に行く。
そこに食事と酒を、運ばせるように手配しよう」
「ふむ、ゆっくり食べられるのはありがたい。
ワインも忘れないでくれ」
この大人版すこぶるかわいらしい、プリンセス・レティは飲む気満々だ。
バージルは連れて行く事に後悔していた。
レティは玄関の椅子にふわりと座った。
胸元が大きく開いているので、
胸の谷間が見える。
バージルはあわてて目をそらし、言った。
「ショールが必要だろう。どこにやった?」
レティはあわてて周囲を見回した。忘れてきたらしい。
「ありゃ!
部屋に置きっぱなしだ。・・
取ってくる」
大きなドレスのスカートを振り回すのは大変だ。
「いや、私が行く方が早い。
待っていなさい」
バージルはすぐに祖母の部屋に向かった。
ショールを取ると、
鏡台の引き出しを開けて真珠のネックレスをつかんだ。
急いでレティの所に戻ると
「貴族の娘は宝石をつけないと・・これを」
そうしてバージルは真珠のネックレスを、
レティの首にまわした。
陶器のようになめらかで白い肌を、そして華奢な首筋を、
真珠は美しく引き立てていた。
カサンドラの魔女は美しい・・・
それが・・
できそこないでも・・
見とれてしまうほどに。
「よしっ!フォアグラ!
うずら!ワイン!!」
レティの気合の入った掛け声に、
バージルは現実に引き戻された。
バージルは黒の燕尾服で正装して、レティが出てくるのを待っていた。
あいつは本当に大丈夫か?
自分はレティをコントロールできるか・・
自信がなかった。
「おっととと・・」
大人版レティが、
ドアを開けるのも大変そうに出て来た。
豪華なクリノリンスタイル・
ビクトリア朝のドレスを着ていた。
お姫様のように、
大きくスカートが広がり、
大きなリボンが所々に揺れている。
深い緑の色合いがよく似合っていた。
髪は黒く染めたのだろうが、
下手くそなので赤が混じっている。
しかし、それが不思議な風合いを生み出していた。
その髪に
庭に咲いていた白い小花を
散らすように飾り付けていた。
「髪を染めたからな・・
これで問題はないだろう」
「いや・・問題大ありだ・・」
童話にでてくるプリンセスのように可愛らしいと言うべきか、
これは目立つだろう・・
という事は、
エスコート役の自分にも注目が集まるということだ。
バージルはすぐに戦略を練った。
「君は外国の貴族の娘だ。
言葉がよくわからないふりをしろ。
微笑んでいればいい」
レティはうなずいたが、すぐに言った。
「それで飯と酒は?」
「大叔母様に挨拶をしたら、
すぐに控室に行く。
そこに食事と酒を、運ばせるように手配しよう」
「ふむ、ゆっくり食べられるのはありがたい。
ワインも忘れないでくれ」
この大人版すこぶるかわいらしい、プリンセス・レティは飲む気満々だ。
バージルは連れて行く事に後悔していた。
レティは玄関の椅子にふわりと座った。
胸元が大きく開いているので、
胸の谷間が見える。
バージルはあわてて目をそらし、言った。
「ショールが必要だろう。どこにやった?」
レティはあわてて周囲を見回した。忘れてきたらしい。
「ありゃ!
部屋に置きっぱなしだ。・・
取ってくる」
大きなドレスのスカートを振り回すのは大変だ。
「いや、私が行く方が早い。
待っていなさい」
バージルはすぐに祖母の部屋に向かった。
ショールを取ると、
鏡台の引き出しを開けて真珠のネックレスをつかんだ。
急いでレティの所に戻ると
「貴族の娘は宝石をつけないと・・これを」
そうしてバージルは真珠のネックレスを、
レティの首にまわした。
陶器のようになめらかで白い肌を、そして華奢な首筋を、
真珠は美しく引き立てていた。
カサンドラの魔女は美しい・・・
それが・・
できそこないでも・・
見とれてしまうほどに。
「よしっ!フォアグラ!
うずら!ワイン!!」
レティの気合の入った掛け声に、
バージルは現実に引き戻された。