魔法の恋の行方・魔女の告白(シリーズ4・バージルとレティシア)
<キャラウェイの別荘・バージルの寝室・16時>

もう日が暮れる、
夕方の時間までバージルは
ベッドから出てこなかった。

レティはバージルの部屋のドアをノックした。
そして少し開けると、声をかけた。
「バージル、大丈夫か?
ミルクいっぱい入れたコーヒーを持ってきた・・・
甘い方がいいなら、蜂蜜を入れるけど」

レティは蜂蜜をスプーンで
すくってなめていた。

バージルは毛布をかぶり、
レティの方を見ないように言った。

「そこに置いてくれ・・」
レティはすくそばの机に、
コーヒーカップと蜂蜜の入った器を置いた。

外の玄関で声が聞こえる。
「バージル先生、レティ?」
マリエの声だ。

バージルは急いでベッドから起き上がり、
レティをちらっと見た。

「今の君の姿はまずいな・・
私が行くから・・ここから出るなよ」
そう言うと、ガウンを羽織って
足早に部屋から出て行った。

レティが窓からそっとのぞくと、
マリエが嬉しそうに、バージルと話している。
マリエはバージルに、かごを渡していた。

しばらくしてから、
バージルはかごを持って
部屋に戻ってきた。
「卵とバターを持ってきてくれた」
バージルは事務的に、連絡をするように言った。

レティはすぐに、
かごの中身を確認しながら
「ああ、明日・・
お菓子を一緒につくろうって・・
そういえば約束をしていたな」

そして考え深げに
「マリエは
お前の事が好きなのだな。
見ていてわかる・・
彼女は若くて、かわいいしな」

レティは次にバージルを見た。

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