【短編】夢の中ではあたしが彼女。
付き合って1ヶ月の間、夢の中のあたしがどんなのだったのかは知らない。


でも…それしか考えられないんだ。


現実のあたしも夢の中のあたしも…1人の『あたし』だから。


何も反応しない入江くんを見てみると、顔が赤くなっていた。


あたしも思わずつられて赤くなる。


「ありがと…俺も葵羽と一緒にいれてうれしいから…。」


入江くんはそう言いながら、あたしの手を握ってくれた。


現実では聞けない言葉、表情…


夢ってわかっていても、幸せだなぁ…。


あたしが幸せを噛みしめていると、だんだん視界がぼやけてきた。


そろそろ夢からさめるのかな…?


「…はよーさん♪」


レオの声が聞こえる。


目を開けると、そこは自分の部屋。


本当に夢からさめたんだ…。


「今…何時?」


寝ぼけながら聞く。


「1時や。」


い…1時!?


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