碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
「お待たせいたしました、決勝戦は、
あと1時間後に再開いたします‥。」
球場に響くアナウンスの声。
「保田、よろしく。」
「おーよ。」
このやり取りも何年目だろうか。
これまでずっと築いてきた、信頼関係。
一緒に練習して、
一緒に戦って。
おんなじ時間を過ごして、
今、同じ場所に立っていて。
「ありがとな、保田。」
「‥こちらこそ、どうもありがとな、斗蒼。」
色々あって、今も苦しいけど、
その分すごく楽しくて。
だから、こんなキザみたいな台詞を言うのは、
今日が最初で最後だと思った。
【試合終了まであと2時間05分】