碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
side 保田
「保田!打てよ、絶対!!!」
その声は、
ものすごい声援の中をかき分けて、俺に届いた。
‥斗蒼だ。
斗蒼の声、だ。
「っ。」
少し、息苦しくなった。
今までより、少しだけ。
苦しくなった。
だから、笑ってしまった。
「‥?」
斗蒼のポカンとした顔が見える。
多分、
なんでこっち見て笑ってる?
とか思っているんだろう。
‥わかりやすいな。
「だから、そんなとこが‥「保田先輩ならいけますー!」
‥。
よし、斗蒼たちのためにも。
「‥勝つか。」
一言呟いて、
俺はまたピッチャーに目を向けた。