碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
side 斗蒼
「‥やりやがったな、保田。」
保田がバッターボックスに立ってから。
少し経って。
「決勝で3点のタイムリーとか、お前凄すぎ。」
「ん?そーか?」
保田は、ベンチに下がっていた。
保田は、スリーベースヒットを打ったのだ。
先にヒットで出塁していた選手がいたから、
追加の1点。
今、3対1で俺たちがまだリードしている。
「‥お前の方がすごかったよ。」
「え?」
「今日、びびった。
こんな球投げる奴と、ずっと一緒に、
野球してきたんだって、思って。」
「‥。」
「凄いかったぜ、斗蒼。」
そういわれたのは初めてだった。
‥くすぐったい。
「あ、ありがとな。」