碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


けど、
力無くベッドの上に置かれた手が震えている。

後ろにズラッと並んだ機械の数値が、
ガクッと下がり始める。


‥これは、やばいんじゃないのか。



「御白、もう話すなっ!!」

「わた、しまっ、てた。」

「御白っ!!」


_____ビーッビーッ!!!


数字が赤くなり、警告音が鳴り響く。


「御白、担当医呼んでくるから待ってて!!」

「せんせ‥、も‥‥‥こな‥い。」

「なんでだよ!!」

「わた‥しが、たの‥‥んだ。
さい‥ご、とあ‥おくんと、
いっ‥しょ‥‥いたい‥って。」


弱々しく、俺の腕を掴んだ御白。
なんで、そこまでして‥。


「‥っ。」

「わた‥し、うれしか‥ったの。」

「え?」

「だっ、てとあお‥く、きてく‥れた。」


眠たそうに、御白のまぶたがゆっくりと、
開いたり閉じたりしている。





< 133 / 164 >

この作品をシェア

pagetop