碧天の下で、純白の球、夏に泣く。



「俺、先輩が守っていたリードを‥っ!!」

「錦城、だから言っただろ、そんな思わなくていいって‥!」

「でも、俺‥「なぁ錦城。」


俺と錦城の声を遮ったのは保田。


「‥保田先輩。」

「あのな、これは試合なんだよ、試合。」

「‥。」


その場にいるもの全てが、
保田の言葉に耳を傾けている。


「試合は、勝ち負けがつくのが当然。
それが試合なんだから。」

「‥はい。」

「それに、野球は相手も合わせて18人だ。
ベンチや応援席にいるやつを含めたら、
ものすごい数の球児が試合をしてるんだ。」

「‥そう、ですね。」

「だからな、1人1人が試合に臨む気持ちは
その数分あるんだ。」



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