碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
通りすがりの人も、
保田の言葉に耳を傾けている。
「つまり、相手にも、俺たちが想像つかない思いを抱えてる奴がいるんだ。
苦しい練習や試練を乗り越えて、あのグラウンドに立ってたんだ。
‥もう、分かるよな、錦城。」
「っ、はいっ!!」
「だから、自分を責めるのはやめろ、な?」
「はいっ!」
_____パチパチパチパチ!!
どこからともなく、
拍手が聞こえてきた。
「保田ー、いいこと言うじゃねぇかぁぁぁ!!」
「いや、俺は当然のことを言ったまででー!」
監督が、
保田に走り寄って頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
ギャァギャァ言い合っていて、
さっきの緊張していた雰囲気はどこかへ行った。
保田はすごい。
本当にすごい。
大切な仲間を持ったと、
心の底から思えた日だった。