碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
「‥薬‥‥‥、ありがとう、斗蒼。」
風の音に混じって、確かにそう聞こえた。
「‥こちらこそ、ありがとう。」
この2人に聞こえるか聞こえないか、
あの3人にちゃんと伝わるくらいの声の
大きさでそっと呟く。
「おーい、お前ら遅刻だぞー!!」
「待って待って監督ー!
まだあと30秒あるからー!!」
「錦城ー!体力ねぇぞー!」
「日向先輩〜!久しぶりですー!」
俺たちを見守る、
碧すぎる天が、そっと泣いていた。
*・゜゚・*:.。..。.:*・.。. .。.:*・゜゚・*終わり