碧天の下で、純白の球、夏に泣く。
「‥!?」
「はっ!あああごごごめん!ま、また明日!!」
「う、うん、また明日!!」
ほんの僅かな時間だけ、
日差しに照らされて重なった影。
「‥っ〜!!」
今、今今今‥!
「俺、キスした‥?」
身体中の血が騒いで、
試合と同じくらいの緊張が走る。
そんなふうに慌てていたからだろう。
俺はあの日、あの時間。
『市立総合病院』の看板を見落としてしまった。
【大会決勝戦まであと1ヶ月と29日】