碧天の下で、純白の球、夏に泣く。






嬉しかった。
すげぇ、嬉しかった。












なんとなく野球をしていた俺にとって、
それは、野球をする意義になった。









もっともっと努力して、両親に見てほしい。



それだけだったんだ。

俺が野球をする意味は。





「‥なんだよ。」

「‥っ。」

「離せよ!
なんで俺の中に入ってくるんだ!!」



嫌だ嫌だ。



なんで泣くんだ。

なんで俺なんかのために泣くんだ。





「いい加減にしてくれよ‥。もう帰れ‥。」

「絶対帰るもんか。」

「っ!」


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