碧天の下で、純白の球、夏に泣く。



ふざけたこと言うな。


お前、約束したんだろ!?




悔しい、悔しい悔しい。








自分の不甲斐なさに、
斗蒼の打たれ弱さに‥ただただ、怒りが湧く。





そしたら、
言おうと思っていなかったことが口から出た。






「風早ちゃんが‥死ぬからか?」

「っ!!」

「風早ちゃんが、
お前の親みたいに死ぬからか!?」




焦るな、焦るな俺‥!!


これからは、俺じゃない‥。


『彼女』に言ってもらわないと‥!


口から出そうになる言葉をグッと堪えて、
斗蒼を見る。




光のなかった目だけど、暗闇の中焦りが見えた。


「保田、なんでお前知って‥「私が言ったの。」

「‥風早さん!!」




斗蒼の驚いた顔。



斗蒼の目の先には、俺が呼んだ、
明るい青色の傘をさした風早ちゃんがいた。


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