碧天の下で、純白の球、夏に泣く。


覚悟。

彼女は昨日もそう言った。




でも、いくらなんでも、辛いに決まっている。




「だから、気にしないで!
私、前も言ったけど本当に平気だか‥え。」




無意識に、勝手に体が動いた。

気づいたら、俺のすぐそばに、
ふわふわした髪があって。
細くて、柔らかくて、俺よりずっと小さな彼女の体を抱きしめていた。


「‥日向くん?」

「無理、してないなら良いけど。
‥今、なんか抱きしめたくなったから、つい。」

「‥。」




< 87 / 164 >

この作品をシェア

pagetop