碧天の下で、純白の球、夏に泣く。

side 斗蒼




3回裏。



雨が降り出した。




「っ。」

「ボール!!」



あー、クソ。


手が滑って、うまく投げられない。


「っ!!」

「ストライク、バッターアウト!!」



それでも、
集中力を高めて一球を投げる。



「おおぉぉー!!!」

「日向ナイスピッチ!!」

「日向先輩あとワンアウトでーす!!」


雨音に負けないくらいの声援。

「負けられないから‥。」

白い粉‥、ロジンバックを付け直す。


「‥御白。」


‥今日、来てくれているのだろうか。

昨日、倒れたりしていないのか?




大丈夫なのか‥、分からない。


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