彼と彼女の取り違えられた人生と結婚
本当に愛し合う事
1週間後。
無事に柊は退院して現在は大事をとって自宅療養中である。
傷口はほとんど目立たなくなり、とっても元気になり体がなまってはいけないと言ってちょっとだけジムに通い軽い運動も取り入れている。
大紀はあれから宗田ホールディングに入社して、現在は営業部に所属され先輩たちと外回りの仕事に行っている。
喋りが得意な大紀は、契約をとるのが上手く大きな取引もすんなりと契約をとれるくらいになっていた。
もともとルックスがいい大紀は受けがよく、話しやすい人格が買われて信頼が結べるようだ。
まだまだ新人で学ぶことも多くあるが、楽しく仕事をしている。
以前に比べ表情も穏やかになり優しくなった大紀は、社員達ともすぐに仲良くなれた。
ジュリーヌは上野坂家へ戻り、優とはまるで恋人時代のように仲良く過ごしている。
出会った時は小さな大紀がいて、出かけるところも限られていたが今は制限もなくいきたい場所へ行ける事かあら旅行も計画している。
仕事で大変な優だが、樹里0ヌとの時間を大切にしたいと言ってあまり残業はしないようにしている。
時々、優の仕事を手伝いに来てくれるジュリーヌに社員達は驚いている事もある。
樹里は相変わらずだが、以前よりは素直になってきたようだ。
宇宙と柊に対して殺意は消え、怪しい赤い瓶はもう調味料の場所に並ぶことはなくなった。
宇宙はそんな樹里を見守っているようで特に何も言わないままだった。
今日は土曜日で樹里も仕事が休みで家でのんびりしていた。
「樹里さん、ちょっと今日は俺に付き合ってもらえますか? 」
リビングで洗濯物をたたんでいた樹里に柊が声をかけて来た。
「どこに行くのですか? 」
「ちょっと内緒の場所へ、付き合って下さい。悪い所ではないので、安心して下さい」
内緒の場所?
なんなんだろう?
そう思った樹里だが素直に柊の言う通りにする事にした。