彼と彼女の取り違えられた人生と結婚

「もういい、いまはゆっくり休めばいい。元気になったら、子供事を探そう」

 そう言って優は暫くジュリーヌを安静にすることだけを考えていた。

 しかし。
 子供の行方は全く分からないままだった。


 そんなる日。
 優はある児童施設にいる、とても可愛い女の子を見かけた
 綺麗な青い目をしている女の子を見て、なぜか惹かれるものを感じた優はその子を養女に迎えようと決めた。


 大紀にも話してジュリーヌにも話をした。

 大紀は妹が来てくれるのは嬉しいと言っていて、ジュリーヌも大紀に兄妹が出来る事に賛成した。



 そして2か月後に養女として上野坂家にやって来たのが…樹里だった。



 ジュリーヌも元気になり家族4人の生活が始まった。

 
 優は仕事が忙しくなり、ジュリーヌに家の中の事任せっきりだった。

 
 そんな時だった。

 樹里がいつも黙っているのに、珍しく激怒したことがあった。
 優はいつも話を聞いてくれない、ジュリーヌは自分の理想ばかり押し付けてくる、そして大紀は…いつも自分のことを「お金で買われてきた人間」と言ってくる。
 それに耐えられないといって、キッチンから包丁を取り出してきて死んでやる! と言い出した。

 優がやっとの思いでとめて事を押さえたが、樹里は喋らなくなりずっと心を閉ざしてしまうよになった。


 このままではいけない。
 そう思って家族旅行を計画した優。


 家族そろって旅行をして、もう一度やり直そうとしていた時だった。

 旅行先でジュリーヌが行方不明になった。

 しかし優は夜中に目が覚めてみていたことがあった。
 それは…


 樹里はぐっすり眠っている。
 そんな中、優がふと目を覚ました。

 すると、大紀がじっとジュリーヌを睨んでいた。
 ジュリーヌも起きていて大紀を見ていた。

「話がある。ちょっと表出てよ」

 大紀がそう言って、ジュリーヌと一緒に外へ出て行った。

 優は気づけれないようにこっそり跡を着けて行った。


 旅館の外に出てきた大紀とジュリーヌ。

「ねぇ、あんたって俺の本当の母親じゃないだろう? 」
「え? 」

「見たんだよ。あんたがはめている結婚指輪が、置いてあるのを」

 ジュリーヌはじっと大樹を見ていた。
 大紀は怒ったような目をしてジュリーヌを睨んでいた。
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