彼と彼女の取り違えられた人生と結婚
臨月を迎えたジュリーヌが、いつ子供が産まれてもおかしくないと話しているのを聞いて不安よりも恐怖が強くなった大紀は、ジュリーヌと一緒に買い物に出かけた時。
歩道橋を降りて行くジュリーヌを後ろから突き落として、その場を逃げて行った。
一人帰って来た大紀は、優にジュリーヌの事を聞かれても知らないと言った。
怪我をしている事で、連絡が入ると思われたがずっとなにも音沙汰がなくいつ見つかるのかと内心ドキドキしていた大紀だったが。
暫くして見つかったジュリーヌは、暫く何も分からなかったと話していた。
そして産まれた子供はいなくなったと…。
大紀は自分は捨てられなくなったと、安心していたが…。
樹里が養女に来て、また不安がよぎってきた。
その為、ジュリーヌに反抗して見たり、樹里に嫌味なことばかり言っていた。
大紀が反抗する事で、ジュリーヌは情緒不安定になって樹里に酷く当たるようになった姿を見て大紀は面白がっていた。
自分が苦しんでいるのだから、みんな苦しめばいいと…
そう思っていた。
あの旅行の時。
ジュリーヌを突き落として、行くへ不明になっていなくなって清々したと思った。
しかし大紀の心は晴れることなく、残された樹里に酷い仕打ちをする事で自分を保っていた。
社会人になって、優からアメリカへ行かされ仕事を任されても面白くなく、会社のお金を使いこんで困らせてやろうと思った。
優から会社を追われ、家も追い出され完全に捨てられたとショックを受けつつもそんな自分を認めたくなくずっと夜の街をさ迷い女の家を転々としていた。
最後に会ったのは有希だった。
有希は大紀と同類で、会社のお金を100億横領してきたと話していた。
逃亡に成功して見つからないままだと自慢していた。
そんな有希と一緒に生活するようになり、樹里の結婚を知った。
正直羨ましく嫉妬していた大紀。
有希との生活は全く楽しくなく、嫌になり抜け出すために柊にお金を要求したが断られた事で怒りが爆発して刺してしまった。
だが正直怖くなったことから、逃げ隠れしていたがお金が底をつき優の下へ来たのだ。
突き放されると思ったが、優は受け入れてくれた。
なんだか大紀はホッとしている自分がいる事気づいた…。