彼と彼女の取り違えられた人生と結婚
軽くしかしませんと言いながらも、柊は樹里のブラウスのボタンを外してゆく…。
「ほんとに止めて下さい。看護師さん、来てしまいますから」
「来ませんから大丈夫ですよ。今は、申し送りの時間ですから」
チュッと胸の谷間にキスをした柊は、そのままスルっと樹里の下着を託し下げてサクランボの部分に吸い付いてゆく。
ここは病院、看護師さんが来てこんなところ見られたら大変なのに…。
でも…ダメ…
気持ちよくて…。
抵抗していた樹里だったが、柊の愛撫が気持ちよくて次第に抵抗する気を失っていた。
スカートの下から入って来た柊の手が、そのまま樹里のショーツの中に入って来た。
ダメ! そこまでは。
と、言いたい樹里だが柊の手つきがたまらなく声にならなかった。
こんな場所でしちゃったらダメ…
でも止められない…。
ダメだと分かっていても、止まらなくなってしまった柊は樹里の入り口が解れたのを確認すると、そのままグイッと入って行った。
んっ…
思わず声が漏れそうになった樹里の唇を、柊の唇が塞いだ。
怪我をして入院しているのに、柊の入ってきた力はとても強く感じた。
初めての夜よりもずっと優しく、力強く入って来た柊からは情熱的な思いが伝わって来る。
誰か来たらどうしようと言う、ちょっとした恐怖感もあるが、柊が入って来たことの方が気持ちよく樹里は我を忘れてしまいそのまま流れに身を任せてしまった。
入院中の病室でこんな事しているなんて。
いけないことだが快楽には勝てなかった。
「樹里さん…元気になれます。…樹里さんの中、とっても温かいですね。すごく気持ちいいです」
耳元で囁かれると樹里はもう何も考えられなくなった。
静かな病室の中。
2人の激しく愛し合う音が響いている。
声は漏れないように唇で塞いでいるが、ソファーの上で揺れ動く音は隠しきれないままだった。
23時になると看護師が巡視にやって来た。
柊はぐっすり眠っていて、樹里も付き添い用のベッドでぐっすりと眠っていた。
何事もなかったかのように眠っている柊と樹里。
そのまま静かな夜が過ぎて行った。