冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
「今日はずいぶん反応が違うんだな」
そう呟くように言った岩倉さんが、私のおでこに唇を寄せる。
岩倉さんが「これの効果か?」と言いながらブラのストラップの肩から落とすので、緊張でどうにかなるかと思った。
「後ろがレースになってるのか。たしかに、おまえにしては大胆だな」
私を体ごと抱き寄せた岩倉さんが、私のおろしたままの髪を手で持ち上げる。
背中を見られているのがわかり、ますます頬が熱を持った。
選んだ下着は、背中部分が全部レースになっているデザインだ。
ブラはカップ部分以外が、ショーツもお尻部分が全部レースなので、今、見られているのだと思うと顔から火がでそうなくらい恥ずかしい。
暴れるのは諦め「もう、見ないでください……」と両手で顔を覆っていると、その手を強引にはがされた。
きっと私の顔は真っ赤になっていて情けないと思うのに、岩倉さんは満足したように目を細める。
「表情が以前よりも豊かになってきたな。その顔は一緒に暮らすようになってから初めて見た」
告げられた言葉に、声をのんだ。
こんな場面でも岩倉さんは私の体の心配をしてくれているのがわかって、とても申し訳なくなった。
私は恋愛感情から岩倉さんに抵抗していたのに、彼はそこよりももっと深い部分で、人間として私を見てくれているのを痛感し、胸が痛む。
こんなにも想われているのだから喜ぶところだと思うのに、恋心に気付いた私はそれだけじゃ満足できなくて、とてもわがままで……自分が嫌いになりそうだった。
岩倉さんは大事に大事に抱いてくれたのに、寂しさが増すばかりだった。