冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
そのあと、すぐに帰ってきた岩倉さんと佐鳥さんと予定通り一緒にランチに出た。
もともとその予定だったので、私も以前、岩倉さんが選んでくれたコーディネートとコートで出向いたのだけれど、車が止まった場所を見て、正解だったな、と思った。
佐鳥さんが予約していたのは、高級ホテルの上階にあるレストランだった。
レストランの名前は知らないけれど、ホテル名は知らない人なんていないほど有名だ。
私の人生の中でこんなホテルに足を踏み入れることになるなんて思いもしなかった。
ちなみに、別々の車で来たので、佐鳥さんは先にレストランに入って待っていると連絡があった。
外観だけでも怖気づきそうだったのに、ホテルの内装はそれ以上でたじろぎたくなる。
ピカピカに磨かれたスクエア型のタイルが敷き詰められたロビーは、ブラウン系の色で統一されていた。
床のタイルや天井はベージュで、壁はブラウン。壁掛けのライトや間接照明がロビーをやわらかく照らしている。
シャンデリアみたいな、見るからに派手な豪華さはないけれど、視界に映る場所どこもが洗練されたデザインで、圧倒される。
少し先に見えるラウンジには何台もソファが置いてあり、スーツ姿の男性やドレスアップした女性の姿があった。