冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
話し合いは、二十一時前から執り行われた。
お腹が空いたままはよくないからと、ふたりで食事をとってから、ダイニングテーブルを挟んで向かい合う。
チッチッと時計の秒針の音と、さっきセットした洗濯機の音が聞こえてくる室内。
正面から真っ直ぐに見つめられ、思わず目を伏せる。
こうして向かい合うと岩倉さんの顔立ちの良さにドキドキしてしまう。
今はそういうよこしまな感情は不要なんだから、と自分自身に言い聞かせた。
「あの、実は私からも聞きたいことがあって……」
沈黙に耐えきれずに言う。
ももの上に置いた手を握り締めながら言った私に、岩倉さんは「じゃあ、先に聞く」と返した。
それを聞き……ゆっくりと視線を上げ、目を合わせる。
誤魔化そうとしない、実直な眼差しが私を見ていて、それだけで胸が震え涙が浮かびそうになった。
「私は、いつまでここにいていいんでしょうか」
ゆっくりと告げる。
岩倉さんは驚きからか目を見開いたあと、納得いかなそうに眉を寄せ……そして、しばらく考えたあと口を開く。
「まず、どうしてその疑問が出たのかを説明してもらってもいいか? 唐突すぎる」
「あ……すみません。えっと――」
もともとこの同居は私の治療のために始まったので、回復してきた今、いつまでここにいいのかと考えていたこと。
佐鳥さんにも、けじめをつけるべきだと言われて、私もその意見に同意したこと。
そして、先日御法川さんと会ったときのことを岩倉さんに説明した。