冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す

「俺に与えたいなら、まず体力をつけろ」
「違う……っ、こう、いう意味じゃ……んっ、う」
「違くはないだろ。これも愛情表現のひとつだ」

少しの間のあと「今までもそのつもりだったのに、まさか伝わってなかったとは思わなかった」と静かに言った岩倉さんの声に、頭のなかで警告音が鳴る。

違うけれど違くはなくて……なにも言い返せず焦る。
たしかに岩倉さんの立場からしたら、私の言葉はひどいものだった。

だから、結局私の口から出たのは「すみません」という、罪を認める言葉だった。

口は災いの元とはよく言ったものだ。
言質を取られている以上、釈明の余地はない。

弁護士相手にろくなことをしゃべるものじゃないと心から思った。

どうにかなるかと思ったけれど、岩倉さんが遠慮なしで自分の欲望をぶつけてくれるのは正直嬉しかった。
私のためだけじゃないと思えて、心の底から嬉しかった。

もちろん、今後のことがあるので、絶対に、口が裂けても言わないけれど。