冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
岩倉さんは私の手を掴んでいない方の手で、私の腰からお腹にかけてをゆっくりと撫でる。服の上から触られると、くすぐったくて体をよじりたくなった。
「一時期よりはいいが、なかなか肉がつかないな。元々の体質もあるんだろうが、しっかり食べてきちんと寝ろ。生活習慣が整っていればまず不健康にはならない」
大きな手が、服の裾から入り込む。
直に触れる岩倉さんの指先は私の体よりも温かい。
いつも涼しそうな顔をしているから体温だってさぞ低いのだろうと思うのに、岩倉さんの手や体はいつだって私よりも温かくて、触れられるたびに不思議に思わずにはいられない。
違和感とでも言うのだろうか。
同時に、岩倉さんが他の人には見せない部分を知ったようでなんだか少し嬉しくもなる。
顔中に落とされるキスを受けながら「睡眠が削られているのは、岩倉さんのせいもあると思います」と、文句みたいに言う。
岩倉さんは口ごたえした私を少し笑い、唇を合わせた。
「適度な運動も必要だ。俺の頭痛のためにも、おまえの回復のためにも」
「適度じゃなく、て、過度……ん……っ」
体を撫でる手と、重なった舌が気持ちよくておかしな声が出る。
岩倉さんが、そんな私に満足そうに口の端を上げたのが、とろけ出した視界でもわかった。