冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
「岩倉って、大学の頃からずっとモテててきたし、俺の知り合いにも岩倉を紹介して欲しいって子いっぱいいるんだよね。でも、そういう話しても間髪入れずに断るんだよ。だから、女に興味あるのかさえちょっと疑問に思ってたところだったんだけど、そっかー。桜ちゃんみたいなのがタイプだったのか……」
「もし、私に特出している点があったら、ぜひ教えていただきたいんですが」
自分自身では見つけられそうもないのでお願いする。
佐鳥さんは「特出……待って。待ってね。必ずあるはずだし、真面目に探すから」と答え、芸術品でも眺めるように、私から距離をとり上から下まで視線を動かす。
「ご面倒をおかけします……」
佐鳥さんばかりに、あるのかさえわからない答えを探させるのも申し訳ない。
こんな私に、あの岩倉さんが惹かれる部分なんてあるだろうか……と、バレたら岩倉さんが怒りそうだなと思いながらも考える。
料理は岩倉さんの方がうまいし、他の家事だって私の方が上手なわけではない。むしろ、キレイ好きのレベルで言えば岩倉さんが上で、細かい部分まで気付いて掃除するのも岩倉さんだ。
収入や知識量なんて比べるまでもない。物理的な力もメンタルの強さも岩倉さんが上だし、顔立ちだって、岩倉さんの方が整っている。
センスだって体力だって、たぶんだけど健康診断とかの結果だって私が劣っている。
……本当に岩倉さんは何を気に入って私をここに置いているんだろう。