冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
「それに、この一週間……いや、それ以上か。まともな休みすらないだろ。年間休日はどうなってる?」
まだごちゃごちゃ言ってくるので、どうしてこんなに関わってくるんだろうなぁと考え、ハッとする。
「もしかして、探偵さんですか?」
色々詳しいし、残業代が支払われていないと言い当てていたことからそう聞いた私に、岩倉さんは「探偵?」と眉を寄せる。
その顔が怖くて「わ、あの、すみません……っ」と頭を下げた瞬間だった。
グラッと視界が揺れて、目の前の床が二重にも三重にもぶれ……そのまま意識が途絶えた。
目が覚め一番に見えたのは、白い天井だった。
それからゆっくりと視線を移すと、大きなクローゼットと床に置かれた観葉植物が確認できた。
左上にある窓にはモカ色のカーテンが引かれている。
自分がどうして寝ていたのかもよくわからないまま、とりあえず体を起こして驚いた。
ブラウス姿で、スーツのジャケットを着ていない。
でも、そんなことよりなにより――。
「ベッドが広い……」
ダブルサイズ以上はあるベッドのど真ん中で寝ていたようで、とても贅沢な睡眠をとってしまったことに誰にだかわからない罪悪感を抱きながら「でも、なんで寝てたんだっけ……?」と呟いたとき、ドアが開いた。