冷徹弁護士は奥手な彼女を甘く激しく愛し倒す
「岩倉さん、ベッドに入るのはシャワーを浴びたあとじゃないと嫌だって言ってたじゃないですか。だから、帰宅して着替えもしないでベッドにダイブするって話していた佐鳥さんに、考えられないって冷たく言ってましたよね」
「ああ、この間の話か。たしかに言ったは言った」
土曜日、佐鳥がこの部屋を訪ねてきたときに、そんな話をした覚えはある。
仕事で疲れて、帰宅してシャワーも着替えもせずにベッドにダイブして気付くと翌朝、というのがパターン化しつつあるという佐鳥の話に対して、ありえないという反応はした。
「私はそれを聞いていて、岩倉さん、キレイ好きだから外からの菌とかそういうのも気になるんだろうなって、相当嫌なんだろうなって思ってたんです。なのに、なんで汚い私をそのまま寝かすんですか? ベッドが汚れちゃうじゃないですか」
恨むような目で見られ、瞬きを数回繰り返してから答える。
「いつもそうだと嫌だって話だろ。体調不良の時だとか、昨日みたいに疲れ切っている時は話が別だ。何度か声をかけたが起きる気配がなかったんだから、よほど疲れてたんだろ。普通に食事がとれるようにはなったが、まだ体は回復しきっていないんだろうし無理はない」
「そういう話じゃなくて……だったら、ソファに寝かしたままにしてくれてよかったんです。岩倉さんのベッドなのに、汚い私が……」
「俺だって、見るからに汚かったら強引にでも風呂に入らせる。別に、一日働いて帰ってきただけで、公園で遊んできたわけでもないだろ。問題ない」