ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~


「あの、今日からこの料理教室に通う鏡谷(かがみや) 杏凛(あんり)です。よろしくお願いします。」

 私達が同じグループだと分かると、丁寧な挨拶をしてくれる杏凛さん。やっぱりこの人は真面目そうな人よね、どうして旦那さんにはあんな態度なのかしら?

「奇遇ね、私達も今日からなのよ。私の名前は狭山(さやま) 香津美(かつみ)、こちらこそよろしくね。早く仲良くなりたいし杏凛さんと呼ばせていただくわ。」

 私がそう自己紹介をすると、杏凛さんは嬉しそうな顔で私の出した手をギュッと握る。意外と……力が強いのね、杏凛さん。

「そうなんですか?ああ、やっぱり勇気を出してあの人から離れる時間を作ってよかったわ!」

 あの人って多分、旦那さんの匡介(きょうすけ)さんの事よね?何だかこの夫婦、訳ありな感じがするわ。

「あの……私も今日から通い始めた二階堂(にかいどう) 月菜(つきな)です。杏凛さん、私とも仲良くして頂けますか?」

「もちろんです。香津美さん、月菜さん……お願いです、これから私のお友達になってくれませんか?」

 そう言って深々と頭を下げる杏凛さん。まさかこんな風にお願いされるなんて思ってもいなかったけれど、こんな面白そうなお友達なら大歓迎よ。

「ええ、もちろんよ。こちらこそこれから仲良くしましょうね?」

「よろしくお願いします、杏凛さん。」

 ふふふ。新しいお友達も出来たし、これから料理教室が楽しくなりそうね。


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