ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「柚瑠木さんが困る?もう少し詳しく話を聞いてもいいかしら、貴女が話したことを他の誰かに話したりはしないわ。」
私は月菜さん達がこんな風に拗れた理由が知りたくなったの。どう見ても柚瑠木さんは月菜さんを特別扱いしているとしか思えないし、月菜さんはそんな彼に気付かないいまま柚瑠木さんの事を慕っている。
なのにどうしてこの夫婦はこんなにすれ違ってしまうのか……
月菜さんの話では、どうやら今日の料理教室の話を聞いて柚瑠木さんがヤキモチを妬いたらしい。そんな柚瑠木さんに彼女は「ギュッとしていいですか?」とお願いしたそうで……可愛いわ、月菜さんにそんなお強請りされたら私だって抱きしめてあげたくなるわよ。
柚瑠木さんはそんな月菜さんを優しく抱きしめてくれたらしい。けれど、柚瑠木さんはそれ以上に彼の事を知りたがる月菜さんを拒絶してしまったらしくて……
「柚瑠木さんは私がこんなに強くなると分かっていたら、妻には選ばなかった……と。」
思い出して、また涙を溢れさせてしまう月菜さん。全く、あの男はもうちょっとどうにかした言い方は出来ないのかしら?そんなの柚瑠木さんの本心ではないでしょう?
月菜さんには本当の自分を知って欲しい。そう思ったから、柚瑠木さんは聖壱さんの所に相談に来たんじゃないの?
「柚瑠木さんはとても不器用な男性なんだと思うわ。これから先も彼と一緒に居れば辛いことが多いかもしれない、それでも月菜さんはこのまま彼に尽くしていくの?」
柚瑠木さんはきっと心の奥から冷たい人ではないと思う。でもすぐに彼が変われるわけでもない、このまま月菜さんが傷付くだけならば……
余計なお世話だとは思いつつも、ちゃんと彼女の意思を確認しておきたかったの。きっと月菜さんの答えは決まっているのでしょうけれど。
「柚瑠木さんは小さな嬉しいも私に沢山くれるんです……!だから、まだ柚瑠木さんの事を諦められません。」