ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
寝室の扉を開けて私をベッドの上へと降ろすと、当然のように上に覆いかぶさってくる聖壱さん。ちょっと待ってよ、こういう事は夫婦でちゃんと話し合うべきじゃないの?
「落ち着いてよ、聖壱さん。少しは私にも話をさせてちょうだい!」
きちんと話せば聖壱さんの誤解だと通じるはずなのに、彼は知らんぷりして私の服のボタンを外しにかかっていて……
「話ならこの後でゆっくりと聞いてやる。香津美にそんな余裕が残っていれば……の話だがな。」
聖壱さんの言葉に背筋に冷たいものが走る、彼の眼は完全に座っていて冗談を言っているとは思えない。このままじゃあ私は……
「待って!せめてお風呂、でなければシャワーだけでも浴びさせて欲しいのっ!」
何でもいい、少しでも彼から離れられる時間を稼がなくては。このままでは明日の私の身が保証されない!
「俺は別にこのままでも構わないが?」
「わ、私は聖壱さんに触れられる時は少しでも綺麗でいたいの。ね……妻のそんな思いを夫ならば分かってくれるでしょう?」
普段は言わないような言葉で甘えてみせると、聖壱さんも悪い気はしなかったようで……
「仕方ないな、俺が風呂を沸かしてくるから香津美はここで大人しく待っていろよ?」
そう言ってバスルームへと入っていった聖壱さん。私はそっと寝室を抜け出しスマホを手に取ると、玄関の扉を開けて外に出た。