ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
「ねえ、聖壱さん。まさかとは思うけれど匡介さんも聖壱さんの契約結婚の仲間だった、なんてことはないわよね?」
夕食を終えてお風呂が沸くまでの少しの時間を、ソファーの上でイチャつきながら過ごしてる。こういう触れ合いの時間が私にとっては一番幸せなんだけど……
今日の杏凛さんの話を聞いてずっと気になっていたことを聞かずにはいられなかった。
「鏡谷 匡介と? いいや、あの男とは仕事以外ではそれほど付き合いは無いな。その話、本当なのか?」
どうやら匡介さんと杏凛さんとの契約結婚は、私達のそれとは無関係らしい。もし聖壱さん達が何かを知っているのならば、杏凛さんの力になれるかもしれないと思ったのだけれど。
「本当よ、妻である杏凛さん本人から聞いたのだから。聖壱さんは匡介さんが契約結婚を選ぶ理由に心当たりはない?」
私がそう尋ねると聖壱さんはしばらく考えているようだったが、彼にも心当たりはないようでゆっくり首を振った。
「少なくとも俺は鏡谷 匡介が契約結婚をしている事も知らなかった。しかしあの男が意味もなくそんな事をするとは思えないし……ちょっと待ってろ」
聖壱さんはそう言うと、ソファーから立ち上げりテーブルに置いたままになっていたスマホを手に取った。