ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
すぐに私の傍へと聖壱さんが駆けつけてくれて、そっと抱き上げ医務室へと運んでくれる。心配性の彼は私が「もう大丈夫だ」と言っても決して降ろしてはくれなかった。
「俺が仕事終わるまでここで休んでいろ、それから一緒にレジデンスへと帰ったがいい」
医務室のベッドで横になると、聖壱さんからそう言われ大人しく待っている事にした。
料理教室を休むことを月菜さんに伝えようと電話をかけてみるけれど、なぜか彼女は電話に出ない。不思議に思って今度はメッセージを送っても、やはり既読はつかない。
「おかしいわね、いつもならこの時間は……」
私はスマホから杏凛さんの番号をタップして、今度は彼女に電話をかけてみる。すぐに繋がって「もしもし」と言う杏凛さんの声が聞こえてきた。
「ごめんなさい、杏凛さん。今日は私、体調不良で料理教室をお休みするわね」
『体調不良ですか? 分かりました、無理せず休んでくださいね』
休むことを杏凛さんに伝えることが出来、とりあえず月菜さんにもメッセージを送っておいた。
フラフラとする身体をベッドに横たえると、すぐに眠りの世界へと落ちて行く。その時に自分のスマホをサイレントモードにしてしまっていたことも忘れて……