ずっと甘溺愛婚 ~それでも性悪お嬢様は俺様御曹司に溺愛される~
月菜さんはそう行動範囲の広い女性ではない、心当たりなどすぐに探し終えてしまい私と聖壱さんは一度レジデンスへと戻ることにした。
柚瑠木さんがまだ月菜さんを探しているのなら、私達は彼からの連絡を待っているべきだと思うのだけど。
「鏡谷 匡介には柚瑠木から連絡があったそうだ。今頃月菜さんを迎えに行っているだろうと、匡介と月菜さんは何かあったのか……?」
「あの二人が? あまり話しているところも見たことが無い気がするけれど。今日の事に匡介さんも関わっているって事なのね」
月菜さんも匡介さんもとても真面目な性格なのは分かってる、きっと二人には何か理由があるはずなんでしょうけれど……
レジデンスについて上を見上げると、柚瑠木さん達の部屋に灯りが付いている事に気付いた。
「聖壱さん、早く帰りましょう! 柚瑠木さん達ももう戻ってきているのかも」
エレベーターの待ち時間すらも長く感じながら急いで自分たちの部屋へと戻ると、聖壱さんはスマホを取り出して柚瑠木さんの番号をタップする。
コール音をドキドキしながら聞いているのに柚瑠木さんは電話に出ない。さっきの部屋の灯りは柚瑠木さんの部屋だったはずなのに。
私は自分のスマホもバックから取り出して、月菜さんの番号を見つけると発信ボタンを押した。